診療科目 耳鼻咽喉科
・聞こえの神経の働きが悪くなり、難聴になる病気です。内耳の障害の場合と脳の聴覚神経が障害される場合があります。
疾患原因
・中耳からきた音の振動は、蝸牛(かぎゅう)(内耳)で電気信号に変換されて、聴神経、脳へ伝わります。
・内耳には周波数ごとに反応する細胞が集まっていて、音の種類を感知するセンサーのような役割をします。そして周波数ごとの音の大きさの情報を聴神経から脳へ伝えます。
・聴神経や脳の働きと共に音の大きさを理解し、「音を聴く」、「聴きたい音と聴きたくない音を分ける」「雑音の中から会話を聴き取る」など、『聴き分ける』という処理を行います。
・これらの部位で細胞の働きが弱くなると、音に反応する感度が鈍くなって、大きい音は聴こえますが、小さな音は聴こえにくくなり、それと共に『聴き分ける』ことも難しくなります。
・このような難聴を感音難聴といいます。
症状解説
・先天性の内耳障害による難聴、加齢による老人性難聴、突発性難聴、騒音性難聴、薬剤性難聴などは、感音難聴に含まれます。
・音を聞き取る働きが弱いため、音が響いたり、よく聞き取れなかったり、耳鳴がしたりします。
・老人性難聴症候群では高音部から障害されます。
・突発性難聴は突然に起こる感音難聴で、通常一側性です。
・爆発などの大きな音を聞いた後に起こるものは音響外傷といいます。
・騒音性難聴では両側の4kHzの周波数から低下します。
・ある種の抗がん剤やストマイなどの抗生剤で内耳が障害されるものは薬剤性難聴といいます。
治療法と注意点
・急性の感音難聴は血管拡張剤、内耳の循環改善剤、ビタミンB12、ステロイドの内服、または点滴を行います。
・突発性難聴以外は薬物による治療が困難なので日常生活に不自由するようなら補聴器を装用します。
・先天性で両側性、かつ高度難聴のものでは手術をして人工内耳を装着します。
関連疾患(細目)
老人性難聴
騒音性難聴
薬剤性難聴