診療科目 耳鼻咽喉科
・外耳道真珠腫は、一般的に外耳道下壁を中心に限局性に角化物(耳アカのかたまり)が堆積したもので、そこに炎症が生じて限局性骨膜炎を起こし、病巣部に上皮が進入して骨の露出・腐骨(ふこつ)形成を呈するものです。
疾患原因
・比較的年長者に片側性にみられることが多いといわれています。
・両側性にみられ、比較的若年者でも認められます。
症状解説
・外耳道真珠腫では、耳ダレを生じ、時に慢性のにぶい痛みを生じます。
・鼓膜は正常なことが多いのですが、骨の破壊が進行すると難聴、開口障害、顔面神経麻痺などを生じることもあります。
治療法と注意点
・診断は外耳道深部の拡大と角化物の堆積を認めれば比較的容易です。
・外耳道の拡大が著明で、処置用顕微鏡で死角が生じる部位の観察には中耳内視鏡が有用です。
・骨破壊の進展範囲はCTで評価します。
・外耳道真珠腫の軽症例では、骨部外耳道に堆積した表皮角化物を丁寧に除去します。
・感染した肉芽組織は鉗除し、必要に応じて抗生剤、ステロイド軟膏を塗布する。数ヵ月毎の定期的な清掃が必要です。
・外耳道真珠腫の大部分の症例は外来における保存的加療でコントロールできますが、骨が壊死を起こし、骨破壊が進行した症例では手術加療を選択します。
・骨破壊部の上皮と角化物を除去し、病的骨組織はバーで正常骨組織が出るまで削ります。
・骨破壊による陥凹部分と正常骨部外耳道の移行部は段差が生じないように滑らかに削り、術後に骨欠損部がよく見えるようにしておきます。
・皮膚欠損部は上皮化を促進するために、側頭骨筋膜や人工皮膚を用いてカバーしておきます。
・外耳道真珠腫、閉塞性角化症では自浄作用が落ちているため、痂皮が蓄積しやすいので数ヵ月毎の定期的な清掃が必要です。
関連疾患(細目)
閉塞性角化症
外耳道炎